始まりは突然に… - オレサマ人生珍道中

時は2017年師走。

オレサマリーマン、相も変わらず仕事に忙殺された日々を過ごしていた。

日中は息つく暇もないほどの忙しさ。空き時間にネットを閲覧することさえままならない、まさに社畜の言葉がオレサマほど似合うヤツもそういるまい、なぁんて思っていた時期であった。

そんな時期の、とある週末。

5日間、それこそ生きるエネルギーをごっそり吸い取られたリビングデッド寸前のオレサマリーマン、なんとかかんとか仕事の目処もつき、後は週明けにやっつけるから今日はもう全部うっちゃって帰ろう、ウン。

オレサマリーマン今週もお疲れちゃん！

そして寒風吹きすさぶ港区の街を会社最寄り駅までトボトボと歩いているそんなタイミングであった。

「あ、奥さんに帰るコール（死語）しなくっちゃ…。」

LINE電話ピロリロ…

奥「もしもーし！」

オ「あ、奥さん？本日もキッチリ忙しかったよ。とりあえず帰りまーす」

奥「お疲れー、あ、そうだ。良い話があるんだよ！」

オ「はい？」

奥「マンションの駐車場だけど、1階に空きがあるんだって！」

奥「年明けたら駐車場引っ越すよ！」

オ「え…あ、あぁ。そうね…ウン、、、で？良い話？」

奥「いや、だからぁ、これでウザい制限はなくなったでしょ？」

オ「あぁ、重量制限のことね。そうだね……。そうか…ま、良い話か！」

オ「わ、ワーイ！、、、で、いいのかな…？」

奥「いやいやいや、違うでしょ！？（ﾁｯ！）」

奥「もう分かるでしょ！帰ったら話そう。」

オ「え？あ、ハハ……はーい（なんでしょう…ドキドキ）」

我が家の分譲マンションは駐車場が自走式の立体駐車場となっており、1F、中1F、2F、中2F…と上って行くタイプ。昨年まで2Fを借りていたのだが、2F以上の階はクルマの重量制限があり、自ずと購入できる車種が限られてしまう状況。とはいえ今までそんなにやかましくなかったのだが一昨年前に鉄骨の一部に亀裂？つぶれ？が見つかり、殊更運営ゼネコンが騒ぎはじめ、理事会は無駄な打合せを半年も繰り広げ、結果、大胆な線引きが行われることとなった。

そして我が家のマイカーは2012年式ステップワゴンスパーダZクールスピリット、型式名DBA-RK5（略してRK5クルスピ）、今回の車重規制に見事引っかかってしまった。現在におけるミドルクラスミニバンの車重は想像より重い。ガソリン満タンで憂に2トンを超えてしまう。ハイブリッドになると尚更である。そして車重規制のリミットは2トン未満である。今回のクルマは渋々認めるけど、次回購入の際に車重が規制より重い場合は車庫証明を出しません、と宣言されてしまった。憤懣やるかたなし。（※ちなみに車重の算出方法が結構面倒なことを今回の騒動で始めて知った感じである。）

ことはマンションの資産価値にも及ぶ話なので住民VS.ゼネコンの一進一退の攻防があったりなんかした。まるでテレビで良くやる住民とゼネコンの侃々諤々のやりとりなんかもあったりして。実際、じゃあ仮にマンション売りましょ！となったとして、「実は駐車場の規制で○ンクルとかクラ○ン無理なんっすよ！でもプリ○スとか○ィット乗ってればいいんじゃないすか？不便なんてないでしょ？」なんて言われたらちょっとマイナスポイントだったりすると思われ（そんなこと言うヤツはいませんが）。

思い返せば、確かに生活にある程度ゆとりが出れば車重なんか気にせず好きなクルマ買いたいし、そんなこと気にして今後生活して行くのもイヤだな…なんて確かに考えていた時期もあった。ただ、そこから若干の時間が流れ、そんなことスッカリ忘れていた、という折も折。

正に青天の霹靂の如く1Fの駐車場を借りることになりました電話である。確かにあの「住民説明会」の苦々しい記憶からも解放されると思えば若干嬉しい気持ちもあった。

でも、そこまでだよね。「あらそうなの？良かったね！ﾁｬﾝﾁｬﾝ」で終了のはずである。これ以上なんの会話をする必要が？

などと考えながら自宅の最寄り駅に到着したオレサマリーマン、スイッチをオフにする儀式「歩きビール」を嗜みながら家路を急ぐのであった…。

そして、明けた日曜日。

確かクリスマスイブだったような記憶。

「む…むむぅ…。」

とある場所にて右手に必殺アイテム「実印」を持ち、おもむろに書類とにらめっこするオレサマの勇姿が…。

ま、お察ししていただけたと思うが、まさかのクルマ買い替えである。

前日までクルマ買い替えの「か」の字も考えてなかったのに、突然ここへ来て新車購入となろうとは…。

金曜日は壮絶だった…。

ウチの奥さん超ヤル気マンマン。